手の平の中に、世界はあった。

ガラケーって言葉も無かった頃の携帯電話ゲームとか昔のゲームとか、他なんやかんやを書き残しておきたい、そんなブログです

数年前に「ときめきメモリアル Girl's Side」を挫折した

 コナミの往年の名作、「ときめきメモリアル」の話だ。自分もリアルタイムではなかったが初代のPS版「ときめきメモリアル~Forever with you~」をプレイし何週とクリアして女の子たちとの甘酸っぱい恋愛を楽しんでいた。紐緒結奈ちゃんが好きでした。

そこから時は流れ、数年前にamazonで中古がすさまじく安かったので買った「ときめきメモリアル Girl's Side」をやってみたものの、1周もクリアできずに止めてしまった。今回はただの愚痴である。

 

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 正直、「Girl's Side」に非があったわけではなかった。相性というかめぐり合わせが悪かっただけなのだ。起動させて最初に聴くOP曲は「おお…!」と感動したものだ。なにせB’zだったし、ムービーも綺麗だったし攻略対象の男の子たちも何人か「ええやん」と思えたし女の子も何人か出てきて友情も育んで時に協力し時にライバルとして衝突し、の青春スクールライフを送れるんだろうな~と期待してプレイを始めたわけだ。

~Forever with you~」では主人公の親友かつ頼れる情報通として早乙女好雄という男友達が居たが、「Girl's Side」でそのポジションは主人公の実の弟が努める。

うん。

もうここでちょっと引っ掛かりを感じていた。正直。弟から攻略キャラの友好度とか聞くってどういうこと?しかも弟小学生でこれは流石にちょっとマセすぎでは?高校生ぞ?主人公の我高校生ぞ?小学生の弟にそこまで頼るの情けなくならんの?

などと思いつつもひとまずこれはゲームだし、女性向けの世界ではこれくらいそう珍しい事でもない…はず…と横に置いておいてプレイを進める。「Girl's Side」はキャラが主人公の苗字や名前をちゃんとボイスつきで呼んでくれる。技術の進歩を感じるなあ。OPも終わりさて、と遊んでいくうちに【アルバイト】の要素を見つけ、「~Forever with you~」の頃には無かった【外出時の服装コーディネート】に行きあたった。

 

これがまあ面倒くさい。

 

 まずコーディネートするには服がなければ始まらない。服はわざわざお金の概念が設定されておりアルバイトや月々のお小遣いを使って休日に洋服屋さんやアクセサリーショップに行って買い揃える必要があるのだが、自分がプレイしたのはPS2版だったのでお店1店舗行って買い物するだけで1行動潰れた(後にDSに移植された版は2店舗で1行動)。「~Forever with you~」の頃から休日というのはデートに休養にと活用し倒す重要な日だ。その時間をたかだか買い物だけのために消費しないといけない、というのはなんだか気分が良くなかった。あんまりにも行くだけ無駄だなと思ったらロードすればいいだけの話なのだが手間なのでなるべくやりたくないのがゲーマーの性というものである。

そしていざまとまったお金を持ってお店に行くとまあ、お値段が結構する。つらい。

初期に所持しているお金が100。

月々のお小遣いが10。1月はお年玉があるので+50の60。

アルバイトは平日週2回で1回につき2。20ではない。2。

この収入に対して実際にお洋服を買う支出の方はちょっとオシャレをしようと思った途端に心許なくなるようなバランスであるように感じた。

Tシャツ1枚買うだけなら値段は10前後なのでいい。でもトップス・ボトムス・アクセ・アウターなんてひと揃い買おうものなら数十とお金が吹っ飛ぶので油断ならない。

またこのゲームは服に色々とパラメータ設定がされており、気に掛けないといけない要素がいちいち多い。

「保温値」のパラメータがあるので夏は薄着に、冬は厚着にと相応の恰好をしないといけないし、スポーティやセクシーといったアイテムの持つ「属性」が攻略キャラのお気に召さないと好感度ダウンもありえる。そして当然の権利のように前回と同じコーディネートで行くと文句をつけられる。なので1セットだけ着た切り雀でいさせてもくれない。

こっちは「~Forever with you~」の頃に女の子たちの服が前回と同じでも何ら気にしなかったのにこれはあんまりではなかろうか。

しかも夏にコレを着れば雰囲気が盛り上がること間違いなしの浴衣。お値段は50を超える。つらい。クリスマスパーティに着て行くようなドレスも高価だが礼服の類はまあわからないでもない。

そんな中立ちはだかる、初詣用の晴れ着。お値段貫禄の300である。実際はもっとお買い得な値段で入手できる余地はあるらしいが「~Forever with you~」の子たちは普通に着れていたのに女の子の主人公になった途端、買えずに指をくわえて見ているだけになる世知辛さのリスクをふっかけてくるのはどういう了見なのか。イヤなリアルさのファッション事情を体験させられるのは結構に気分が滅入ってしまって段々とプレイしていくうちに嫌気が差してきていた。

 

 それでも折角手に取ったんだし1人くらいは攻略したいなとえっちらおっちらパラメータを上げ、狙ったキャラとデートに赴きと頑張っていたのだが。これは後になって本当にたまたま巡り合わせが悪かったと知ったのだが、このゲームは女友達と攻略対象がバッティングすると『VSモード』なる展開に入ってそれはもう女友達にツラくあたられるというシステムがある。

乗り越えて友情が復活する展開はあるそうだがゲーム内時間1年ほどかけないといけないらしい。高校生の3年間のうちの1年をかけろと言われるらしい。

はい。

その最初の1周目にメガネの男の子を攻略しようと選び、女友達は開始時に選ぶ主人公の部屋で決まるそうなのだがそれで選んだ結果女友達もなんかメガネの子だった。メガネとメガネでダブってしまったな(うれしい)と思っていたらイベントが起きて結果女友達が急に辛辣な態度を取ってくるからこっちはショックである。違う、そうじゃない。ライバルになる展開もあるやもと期待はしてたけどそうじゃない。だってめっちゃ嫌味とか言ってくるんだもん。悪意を込められているもん。泣きそうになりますよ実際やってると。

ギスギスの日々に晒されるうち、ふと、とうとうはたと気づいてしまった。

 

~Forever with you~」と違って、今この主人公に味方が誰も居ないな、と。

 

家に帰れば家族が、弟が居るが学校で過ごす主人公はひとりで、友達だと思ってた女の子に冷たい目で睨まれ、気になってる男の子とは中々進展もせず(システム上VSモードになると本当に攻略対象の友好度アップにマイナス補正がかかるそう)、日々家路をとぼとぼと帰っているんじゃないか。そしてひとりっきりで、夕暮れの道のすみっこでつぶやいたかもしれないのだ。

 

『こんな青春を送りたいわけじゃなかったのに。どうして。』

 

 そうして心が折れたので止めてしまいましたとさ、という話である。げにありがたきは友人かな、早乙女好雄は偉大な親友だったんだなあと再確認しつつ、「Girl's Side」のディスクをケースにしまった。

繰り返しになるが、男主人公版でも「3」で服装のシステムがあったそうなので「~Forever with you~」から色々すっ飛ばしての「Girl's Side」という流れが良くなかったという面もあったのだとは思う。

思うけど、私はもう「Girl's Side」を少なくとも1人でやる事はないだろう。服装コーティネートをやりたいのでもなければ女同士の恋の鞘当てをやりたいわけでもないからだ。

 

私はただ、恋愛ゲームがやりたかっただけなのだ。